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あなたもスーパーパワーを持っているかも?近年の遺伝子研究について

今までの遺伝子研究は、病気の原因となる遺伝子変異を発見するという研究が主流であったようです。
それは、遺伝子が変異していると、たんぱく質に影響を与え、病気を発症するリスクが高くなるからです。
例えば、遺伝子BRCA2に変異があると、乳がんを発症するリスクが高くなるとされています。

しかし、近年の遺伝子研究では、新たな方向性が生まれているようです。

レジリエンスプロジェクトというアメリカの研究チームは、健康な成人589,306人の遺伝子を調査した結果、そのうちの13人について、メンデルの法則に基づく、8つの深刻な遺伝子疾患につながる遺伝子を保有していたことを発見しました。
その8つの深刻な遺伝子疾患は、スミス・レムリ・オピッツ症候群や嚢胞性線維症などの小児性疾患として知られるものですが、13人は、それらの疾患を発病することなく成人を迎えたということになり、遺伝子変異に何らかの耐性を持っていると示されたのです。

さらに、近年のほかの遺伝子研究でも、同様の事例が上がっています。

オランダのフローニンゲン大学の研究チームは、国民の遺伝子基準を確立していく過程で収集した遺伝子データから、SERPIN A1という遺伝子に欠陥が見られる2人を発見しました。
通常この遺伝子は、肺を保護するのに役立つたんぱく質を作る働きがあり、欠陥があると、40代までに深刻な呼吸障害を引き起こすとされています。
しかし、この2人は共に60代ですが、そのような深刻な症状に苦しむことはありませんでした。

さらに、ハーバード大学によるパーソナル・ゲノム・プロジェクトの研究チームが出会ったのは、家系の中で10名以上もの人をアルツハイマー病で亡くしているという、アルツハイマー病の強い家族歴がある人でした。
この人は、約70歳になるということで、この病から逃れたと思い、このプロジェクトにボランティアとして参加したところ、驚くべきことに、自分にもアルツハイマー病を発症する原因となる遺伝子変異があることを発見したのです。

また、このような研究は、人間だけに留まらず、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを発症する遺伝子変異に耐性を持つ犬も発見されています。

このような遺伝子変異に耐性を持つ人たちの発見は、今後のさらなる研究で、例えば、他の遺伝的要因や環境的要因によって、このような人たちが、どのようにその驚くべきパワーを得たのか解明されることで、遺伝子疾患に対する新たな予防法や治療法の開発につながるのではないかと期待されています。

皆さんの中にも、気づいていないだけで、実は、遺伝子疾患に対抗するスーパーパワーを持っている人がいるかもしれませんよ。